令和6年度 春季学術講習会
定時会員総会が終わり、午後からは春季学術講習会が開催されました。
第1部は「健康保険証廃止における施術所でのオンライン資格確認とDK(日鍼会電子カルテ)について」 と題して、本会保険部副部長の柏原修一先生にご講演いただきました。
ご存知のとおり、今年の12月2日に現行の健康保険証が廃止され、マイナ保険証に切り替わります。受領委任制度(いわゆる保険治療)を行っている鍼灸院においてはオンラインで資格確認が必須となるため、そのために必要な準備物等について資料とともに詳しく解説していただきました。また、日本鍼灸師会のレセプト対応電子カルテシステム(DKシステム)についても画像をふんだんに使い、非常に丁寧に解説していただきました。惜しむべきは参加者の中で今回の情報を必要とする方が少なかったこと。保険治療に興味があり、これから始めてみたいという方にとってはとても充実した内容でしたので、内容はそのままに属性を絞れば非常に有意義な講習会になると思います。
第2部は創立75周年記念特別講演として、日本美容鍼灸マッサージ協会会長/美容鍼灸サロン ブレア (元町・銀座)総院長の上田隆勇先生による「本治重視少ない鍼で結果を出す『上田式美容鍼灸』とは」 をご講演いただきました。
ニキビやシワは実は身体の不調のサインと捉え、顔だけでなく全身を調整することが重要であると上田先生。また、顔は身体を映し出す鏡であるとも。したがって、身体の不調には目もくれず、顔だけに鍼をして欲しいという要望にも一切対応しないとのことです。
実技は本会理事の渡邊健先生がモデルを務めました。簡単な問診のあと(今回はデモンストレーションのため)、首や脊柱の動きを確認し施術に入ります。あくまでも全身の調整が重要ということで脈診と腹診を行いましたが、手首とお腹に手を当てたのは一瞬であり、腎虚と判断されたスピードに驚きました。解説しながらも決して手は止まらず、経穴へ的確に刺鍼していく上田先生のスキルに参加者は圧倒されておりました。施術を終えた渡邊先生は『おべっかなく次回も受けたいと思いました。とても気持ちよかった』とご満悦でした。美容鍼ではあるけれど本治重視に偽りなし。終了予定時刻を20分以上オーバーしましたが、熱気に包まれ満足度の高い講演となりました。